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多機能トイレの情報サイト「Check A Toilet」の運営(4/4)

4. 自治体とのコラボレーションと今後の課題

 現在、Check A Toiletの情報は、地図会社と連動して発信しています。マピオン、Googleマップ、NAVITIME、一部のカーナビで使えるようになっています。

 立ち上げてから現在まで、さまざまな苦労がありましたが、短期間で苦労したのは、Googleマップに情報提供をすることになったときです。2か月半で2万5千件の情報をチェックしました。しかし、Googleマップに多機能トイレ情報が見られるようになり、利用者にとっては格段に便利になったと思います。

 自治体では、観光、防災、福祉などのためにトイレマップを作っています。また民間の企業や団体などで、トイレに関する情報を持っているところがあります。Checkでは、「自治体と民間の垣根を外して、トイレの情報を地域全体でカバーしませんか。情報を集約してデータベース化し、都市計画に生かしていきませんか」と提案する、トイレシェアリングのプロジェクトを進めています。現在、三重県四日市市と、神奈川県横浜市元町でプロジェクトが進んでいます。

 Check A Toiletには、車いすを利用している方から「思いのほか多くの場所で多機能トイレがあることがわかった」「行先の近くにあるトイレをあらかじめチェックできるので、あわてることが少なくなった」「携帯電話から検索できることで、外出時の不安の種であったトイレ探しの精神的苦痛から少し解放され、旅行が楽しめるようになってきた」などという意見のほか、福祉タクシーの会社からは「お年寄りのお客さまは急にトイレに行きたいといわれるので、助かっている」という意見も寄せられています。

 そのほか、「半身マヒの人には、手すりの構造が利用しにくいとか、ひざ関節の悪い方には低い便座なので注意してくださいなど、きめ細かなコメント欄もほしい」と、極め細かい情報をもとめる意見も届いています。これは今後の課題です。

 高齢者は、これからますます増えていきます。Check A Toiletは、パソコンやスマートフォンで利用するかたちとなっていますが、高齢者のなかにはパソコンを使わない方もいますし、スマートフォンを電話以外で自由に使いこなせる方は多くないと思います。紙ベースの地図では情報の更新をするのがむずかしいのですが、情報が必要な方全てに情報を届けるためには、やはり旅行ガイド本などのマップにも取り入れることが必要です。これから働きかけていきます。

 日本国内には、多機能トイレが10万ヵ所あるのではないかと考えられます。現在の登録件数は4万件ですから、日本国内にあるすべてのトイレの情報を登録することが目標です。

 海外から来日する旅行客にとっても、トイレの情報があると便利です。外国語版を出していきたいと思っています。また日本人が海外旅行をするときにも、多機能トイレの情報があると役に立ちます。現在台湾や韓国などとの連携を目指して、動き始めています。だれもが楽しく自由に行きたいところにいけるように、世界中の情報をつなぐような地図をつくることが理想です。

取材日:
2012年11月
取材協力:
NPO法人Check

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