2011年8月、障がい者団体の年輪会(東京都青梅市)、株式会社クレアンスメアード、サンリツオートメイション株式会社、および地域商店等と連携し、この「地域見守りシステム」の実証テストを実施しました。場所はJR青梅線河辺駅周辺の、南北500m四方のエリア。障がい者からのメールに応じる駆けつけ協力者として、駅周辺の店舗から約40人がボランティアで参加しました。
支援を要請する側として実験に参加してくれたのは、2名の車いすユーザーです。車いすの手すりや脚にスマートフォンを装着し、エリア内を移動。バリアとなるもの、例えば段差の乗り越えやエレベーター乗車、パンクの救護、踏切の横断、店舗への入店などの際に、その都度支援を要請しました。スマートフォンの操作自体に戸惑う部分はあったものの、支援の要請は無事実行することができた様子。駆けつけ支援の仕組みに対する評価もおおむね良好でした。待ち時間は、数分から10分程度で、緊急性が低い場合であれば問題ないとのコメントをいただきました。
メールを受け取る側も、メールの通知文言や位置情報などの閲覧に関しては問題なくできたようです。支援を認知してからの駆けつけも、比較的スムーズに行うことができました。ただし、駆けつけ応答をするためにはシステムにログインする必要があり、それに手間取ってしまったため、駆けつけが遅くなってしまった、という例がいくつかあったのと、そもそもスマートフォン利用が初めてという方が多く、そういう操作性の部分で幾つか課題があがりました。
今回の実験では、地域のネットワーク内でシナリオ通りにシステムを運用することができるかどうかが主眼であり、実際のまちなかで一連の流れを確認できたというのは、大きな意義があったと思います。本格的な実用化に向けてという面では、いくつか検討すべき課題もありますが、それが明確になったというのも、成果のひとつであると考えています。
スマートフォンで用いるアプリケーションは、サンリツオートメイション株式会社(東京都町田市)などが開発、ネットワークやサーバーの管理は株式会社クレアンスメアード(東京都青梅市)が担当しています。
地域見守りシステム実証テストの様子
スマートフォンを利用した地域見守りシステムの実証実験
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