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視覚障がい者に向けた“言葉の地図”「ことばの道案内」の製作 (1/4)

1. 「ことばの道案内」ができるまで

私がこの「ことばの道案内」というサービスを立ち上げたのは、障がい者の社会参加と自立を支援したいという思いからです。私自身も視覚障がい者で、20年ほど前に中途失明をしました。それまで仕事中心の生活を送ってきた自分が、急に視力を失って強く感じたのが、「外に出るのが怖い」ということでした。仕事が前のようにできなくなるだけではなく、好きなお酒を飲みに行くこともできず、家族とケンカをしても気分直しにたばこを買いに行くこともできない。視覚障がい者は行動の自由が制限される、ということを、身を持って実感しました。

しばらくは家にこもる日々が続きましたが、幸いにも、元の仕事のスタッフやお客様、そして家族が、仕事を続けるよう勧めてくれまして。なんとか仕事を再開する一方で、「障がいを持つ人たちのために自分ができることはないだろうか」ということを日々考え続けていました。

時代はちょうど、Windows95が発売された頃だったので、まずはその使い方を障がい者の方々に教えようと、ボランティア団体を設立し、事務所を東京の三田に構えました。しかし、視覚障がいを持つ方が一人で外出するというのはとても難しいことですし、それが知らない場所であればなおさらです。そこで、三田駅やバス停から事務所までのルートをことばで案内する、いわゆる「言葉の地図」を作って、それをたよりに来ていただくことを考え付きました。これが「ことばの道案内」のはじまりです。

お陰様でこの試みは好評を博し、「他の場所への道案内も作って欲しい」との声をたくさんいただきました。そこで改めて、NPO法人「ことばの道案内」を設立し、2004年から業務を開始。現在では、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大分県などをはじめ、公開しているルートは日本全国に広がりつつあります。

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