パソコンスクールを開こうと思ったのは、2001年、ちょうど私が40歳を迎えた頃でした。それまでは大手通信会社に勤務しておりまして。ある時、自分が難聴者の1人であるということから、「同じような立場の人たちはどれくらいいるのだろうか」と調べてみたのです。そうしたら、全国におよそ800万人もいるということがわかりました。「意外にたくさんいるんだ」というのが、率直な感想でした。
当時はインターネット隆盛の時期。パソコンの普及率は50%を超え、日本政府による「e-Japan戦略」が進められようとしていました。ブロードバンド化が進み、これから大きな転換期を迎えようとしているこの世の中で、聞こえないだとか、見えないだとか、そういったハンデを持っていると、どんどん時代に置いていかれてしまうのではないか、という焦燥感がありました。
そこで、1年間ほどかけて、ネットを使った市場調査を行いました。その結果からわかったのは、聞こえない人たちが安心して勉強できる場所がほとんどない、ということ。もちろん、市区町村やボランティアが単発的に行ってくれる講習会はありますが、資金や人材、場所、資材などが慢性的に不足している場合が多く、品質を保ちながら継続して開催していくことは、なかなか難しい状況です。さらに、実際には初心者だけではなく、既に社会に出て働いている聴覚障害者もいます。その人たちがもっと高度な内容を学びたいと思ったときに、対応していく場所が必要なのではないだろうか。そういう場所がないのであれば、自分で作るしかない!と考え、2002年8月、この「かがやきパソコンスクール」を立ち上げた次第です。
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原本作成日: 2010年5月10日; 更新日: 2019年8月23日;