いま携帯電話は薄型化がトレンドで、キーの並びがフラットなものがありますが、らくらくホンのキー操作のボタンは大きくて、1個1個盛り上がっていてどこを押せばよいのかが分かりやすいです。特に視覚に障がいのある方にとってはボタンの位置がわかりやすいことが大事なポイントです。新しいモデルになってボタンのサイズやボタンとボタンの隙間が狭くなったりすると、前のモデルより使いづらくなったとユーザー様からの声が届きます。
視認性を高めるために、キーや画面の表示にも色の工夫もしています。白に黒、または非常に濃いネイビーなどを使う等、文字の色と背景のコントラストを重視しています。弱視の方と高齢の方とは見やすさが違いますから、必ずバリエーションを用意するようにしています。
画面の見やすさにもこだわりがあります。文字を大きく、何よりも見やすさ、読みやすさを意識しています。送受信したメールやiモードは、何段階か文字のサイズの設定ができます。待ち受け画面の時計の文字も大きくしています。
文字では、半角文字はなるべく使わないとか、単に見やすいだけではなく、読んだときに読みやすいように工夫をしています。「らくらくホンベーシック」は、グラフィックデザイナーの原研哉さん(※)に参加していただいています。文字のフォントなどに精通されているので、見やすさの部分がさらによくなりました。ただ大きいだけでは本当に読みやすい文字ではないそうです。ひらがな一つにも、仮名本来の文字の見やすさにこだわっています。
※原研哉さん…長野オリンピックの開・閉会式プログラムや無印良品のアートディレクションなど、デザインの領域を広くとらえて多方面にわたるコミュニケーションプロジェクトに携わるグラフィックデザイナー
最近の携帯電話では、メニューがアイコンで表示されているものが多いと思いますが、らくらくホンでは全て文章で表示しています。(お好みに応じてアイコンメニューも選択可能です。)「電話帳を使う」とか、「写真・ビデオを撮る・見る」になっています
※写真2 文字の見やすさに特にこだわった「らくらくホンベーシック」
音の聞き取りやすさにもいろいろな工夫をしています。最近のモデルでは「スーパーはっきりボイス2」といって、聞き取りづらい周波数の帯域を、周波数に応じてチューニングして聴きやすくする機能があります。騒がしい場所で電話を使っていて相手の声が聞きづらいときには、自動的に調整したり、ボリュームを上げる機能です。
また、自分の声を拾うマイクと、周りの音を含めて拾うマイクの2つのマイク「ダブルマイク」がついています。拾った音を分析して、音のノイズを除き、自分の声以外は相手に伝えないようにして、電話を受けている相手に聞きやすくするしくみです。会話がスムーズになるので、電話をかける人も受ける人も聞きやすくなる機能です。
「ゆっくりボイス」という機能もあります。早口で言われて聞き取りにくい相手の会話を、ゆっくり発音させます。
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原本作成日: 2009年3月9日; 更新日: 2019年8月20日;