聴覚に障害がある人のために、音による情報を他の手段で補って伝達することを「情報保障」と呼んでいます。
聴覚障害者のコミュニケーションの方法としては手話がありますが、手話を使いこなせる人は意外と少ないのが現状です。現在障害者手帳を持つ聴覚障害者は全国に約30万人いますが、そのうち主に手話を自分のコミュニケーション手段としている人は、約15パーセント程度といわれています。日常会話ならば手話でなんとかわかるということと、さまざまな情報を手話で獲得できることにはかなりの違いがあるのです。
音声言語を取得してから聴力を失った中途失聴の人や、聴力が下がり難聴となった人の場合は手話を知らずに育っているので、手話を使いこなせるようになるまでには長い期間がかかります。そこで、会話をするときにメモやホワイトボードに書いて伝えるなど、音声情報を文字として伝える方法は、聴覚障害のある人にとって大切な情報取得の手段です。
「要約筆記」は、聴覚障害者のための情報保障の方法の一つで、その場の音声情報を文字で書いて伝える通訳とも言えます。日常会話では手話、情報取得には要約筆記と使い分ける人もいますが、多くの場合は、自分がコミュニケーションをとりやすい方を選んでいるようです。
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原本作成日: 2007年1月12日; 更新日: 2019年8月20日;