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講義を字幕化し聴覚障がい者をサポート「モバイル型遠隔情報保障システム」(3/4)

3. 健常者の情報量に近づく第一歩を踏み出せた

実際にシステムを試験的に導入して利用者から返ってきたのは、これまでの支援方法を大きく上回る満足感でした。

例えば、「パソコン要約筆記(文字)通訳」の場合、固定の場所でしか提供できなかった支援サービスでしたが、移動を伴う際でも支援提供できるようになったことです。

小学校などでは避けられない、移動教室や見学といった教室以外の場所などの利用にも威力を発揮。さらに、移動中などの説明にも充分な『情報保障』を行えることが実証実験では確認することができました。
なかでも、機械などの騒音であふれるような見学場所においては、健聴の児童にも解説者の声が聞き取れないことがあった中、Bluetoothマイクからの音声は良好に音声を拾っていて、遠隔地から送られてくる文字情報(iPhone 3G)をみんなでのぞき込むようなシーンも見られたようです。

また、大学などの講義といった比較的情報量が多い環境においても、従来のノートテイク方式に比べ、今回のシステムのほうが提供される情報量が多く、「ようやく一般の人の情報量に近づくことができたと感じた。」との声が多く上がりました。

その一方で、ノートテイクとは異なり現場の状況がつかめない遠隔地から、マイクを通じて届く音声のみを手がかりに情報保障を行っているため、マイクから遠い位置にある音声が拾いにくく聞き分けが難しい場合の情報保障に問題が残っていることもわかりました。

しかしながら、「モバイル型遠隔情報保障システム」の場合は、支援する大人が側に付く必要がないため、友だちと同じ環境で参加できることが嬉しいという意見も聞かれました。 このような、心理的ストレスといった点が緩和されるというのは、実際に利用者からの感想を訊いて改めて気づいた大きなメリットでした。

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