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ウェブアクセシビリティ向上システムの導入(鳥取県公式ホームページ「とりネット」) (4/4)

4.システム導入で現れた効果と今後の目標

このシステムを導入して現れた効果のひとつは、障がい者からの声を直接反映できるようになったことです。「とりネット」の各ページの右下には「アクセシビリティの問題を報告」というバナーがあり、クリックすると入力フォームが現れ、利用していて気がついた点を報告できる仕組みになっています。実際に、問題があるページに関して、「代替テキストの意味がわからない」とか「レイアウトが崩れている」等、具体的なご指摘をいただいています。私たちが特に期待しているのは、音声ソフトで読み上げたときの情報順位の付け方など、実際に利用されている方だからこそできる、機械では検出できない「使い勝手」の部分でのご指摘です。今後もさらに、利用者の目で、厳しくチェックしていっていただきたいと思っています。

また、職員への負担の軽減という面でも、効果が大きかったと思います。現在、システムの導入と並行して、ウェブアクセシビリティのガイドラインを作っており、また、ホームページに関わる職員全員に対しては、引き続き研修を行っていく予定です。ただし、ガイドラインを読み、研修に出れば100%完璧なものが作れるわけではありませんし、アクセシビリティへの配慮に神経質になるあまり、逆に本来業務に影響が出てきてしまったのでは、意味がないと思うのです。職員の生産性をアップするためにも、より精度の高いアクセシビリティを実現するためにも、このシステムは大きな役割を担ってくれていると感じています。

今後の目標は、まずは鳥取県の各サイト管理者を対象とした研修を行い、昨年改正されたJISについて理解してもらい、どう対応していけばいいのか、という点を共有したいです。自分たちのサイトのどこに何が足りないのか、というのを、改正JISの基準に当てはめて考えていく。そこからが、「とりネット」アクセシビリティ向上の本当の第一歩かな、と思っています。

あとは、このシステムを他の機関でもぜひ使っていただきたいですね。公の機関や省庁等のホームページを見ていると、どこも膨大な情報の財産、ストックがあります。それらをクローリングして、問題があるページをピックアップするところまではできても、実際に1つ1つ修正を施していくのは大変な作業です。そこでこのシステムを導入し作業を効率化するとともに、障がい者の方々の手によって直していく仕組みを作っていく。ウェブアクセシビリティの向上事業が社会システムの構築につながっていく。今回私たちが行っている事業の最大の特徴は、そこにあるのだと思っています。

取材日:
2011年1月
取材協力:
鳥取県統轄監広報課および企画部情報政策課
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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