ボクがラッコとであったのは、丁度大学三年生の時。バックパッカーとして、インドに落ち着いて3ヶ月。そろそろ帰国しようかなという頃に、『スキューバダイビングやってみないか?』と現地で友人になったアメリカ人に誘われて、潜ったのがきっかけですね。海中に慣れたのもつかの間、悠然と泳いでるんですよ、ラッコが。それも数十匹。まるで宴が開かれているようで、しばらく目を奪われましたね。
そんな印象的な出会いをしたんだけれども、職業としてジュゴンを含めた魚の飼育に携わりたいとは思わなかったんですよ。むしろ、ダイビングの方が趣味になりましてね。就職して3年くらい経った頃かな。社員研修で、奄美の方に行って潜ってたんですが、そこで再会しちゃったんですよ、ラッコに。この辺にも生息しているらしい、という情報は得ていたんですが、まさか遭遇するとは思わなかった。いやいや、帰京して真っ先にしたことは、辞表を出したことかな(笑) |
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それからは勉強の日々でしたよ。いろんな水族館で「ラッコを育てたい」と言っても、ノウハウがないからという理由で門前払い。ならば何でもやってやろうと思ったんですよね。あんな風な出会いを経験したのだから、きっと縁があるんだと、自分に言い聞かせながら。「コンリー」も、ボクをダイビングへ誘ってくれたアメリカ人の紹介で、当館に来ることになったんですよ。ホント、不思議なつながりを実感します。

ラッコは70年間生きるといわれてます。丁度人間と同じくらい。「コンリー」を息子だと思って、温かく見守っていきたいと考えています。 |