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パナソニック×ポラリスが手掛ける「自立支援介護プラットフォーム」で高齢者の暮らしを変える

1 IoT技術で高齢者の生活実態を把握して最適な「自立支援プログラム」の提供を可能に

まず、最初に「自立支援介護プラットフォーム」がどのようなものなのか、ご説明いただけますでしょうか。

山岡勝氏(以下、山岡):パナソニックは、センサーを活用したIoT技術により「睡眠分析」「体調予測」「BPSD(行動・心理状況)の要因分析」を行い、高齢者の方の生活実態の情報をデータで蓄積する技術を開発しました。具体的には、部屋にセンサーを取りつけて生活行動パターンをモニタリングするかたちになります。しかし、技術を手に入れたものの、そのデータにどんな価値があり、どのように役立つのか不透明でした。そんなとき、高齢者の自立支援で実績を上げているポラリスと出会いました。そして、IoTによって集めたデータは、介護職員だけでは把握しづらい状況を見える化できるということで、自立支援プログラムの設計に役立つことが分かりました。

現在は、見える化からさらに一歩進めており、睡眠が阻害されている要因や歩けなくなっている原因を見極めるためにデータを活用しています。たとえば、睡眠に関しては睡眠薬を使用している高齢者が多いのですが、本当に薬に頼らないといけないのかを判断するためにデータを役立てることができます。もしかしたら、夜間に眠れないのは単純に日中に昼寝しているだけかもしれませんが、自己申告や介護職員の観察だけでは抜け漏れてしまう情報もあります。そうした実態もデータを検証することで、より詳しく把握できるようになります。

佐伯みか氏(佐伯氏):ポラリス(代表 森剛士/通所介護事業等/職員数469名)は、創業から一貫して要介護状態の改善に注力してきました。その結果、7年間に2606名の方の介護度が改善されました。その中で、介護保険を全く使わない“卒業”をされた方は516名にのぼります。この実績をふまえ、代表の森は「日本だけでなく世界中の一人でも多くの方々に、我々のプログラムを使って元気になっていただきたい」とこれまで様々な挑戦をしてきました。

そうした中で立ちはだかった壁は“質”でした。質向上・保証を図る上で最も重要な鍵を握るのが「アセスメント」です。その「アセスメント」において、先ほど山岡さんがおっしゃった通り「ご自宅での様子」は聞き取りに頼らざるを得ないという状況があったのと、職員の知識・経験のばらつきが反映してしまうという状況がありました。ご本人が同じ状態であっても、回復のプロセスにばらつきが生じていることは歴然としていました。センサーを活用して、客観情報を把握・収集することが、自立支援介護の標準化延いては質の向上・保証につながる大きな第一歩だと考え、パナソニックとタッグを組むという決断をしました。冒頭にお伝えした「日本だけでなく世界中の一人でも多くの方々に・・・」を実現するための最重要戦略でした。

具体的にはどのような項目をみていくのでしょうか?

山岡:自立支援介護では、「睡眠」「食事」「運動」「水分」「排泄」の5つの項目を厳密に管理していくことが大事になります。現状は、「水分」や「食事」に関して、センサーでのモニタリングは技術的に難しいのですが、「睡眠」「排泄」「運動」の状況は自動でモニタリングすることが可能です。

佐伯氏: 介護が必要になる背景には、病気など様々なものがありますが、その一つに「廃用症候群」というものがあります。「生活不活発病」とも言われ、低運動、臥床、不動が原因で、今まで機能していた心身機能が機能しなくなる、例えば上手く起き上がれない、歩けない等の状態になることです。予防が非常に重要と言われていますが、実は、この「廃用症候群」を改善してしまうのが我々の「自立支援プログラム」です。ですから、廃用がどの程度進んでいるか、日常生活でどの程度動いているか、そして動くために必要な水分摂取状況、排泄状況などを、専門家が側にいなくても24時間モニタリングできるようになることは、施設でなく自宅で自立的に生活したいという高齢者の方々の願いを叶える上で、非常に画期的なことなのです。

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