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「あなたのことを思い出したよ」 年齢や障害を超え、言葉になる前の想いを届ける鳩時計「OQTA」

1 偶然に分かった「ひとは誰かに思い出されるとうれしい」という感情

 左は「OQTA HATOしろ」。右は内部構造
左は「OQTA HATOしろ」。右は内部構造

OQTA HATO(OQTA)は「IoT鳩時計」とのことですが、どんな製品なのでしょうか?

高橋:連動したスマートフォンアプリをタップすると、ハトが時計から出てきて「ポッポー」と鳴く仕組みの鳩時計です。一台のOQTAに対して最大8人が登録してハトを鳴かせられますが、誰がハトを鳴かせたかは分からないし、OQTAから音声やメッセージでの返事もできません。

あえて“一方通行”なコミュニケーションのツールとして作られているのですね。開発のきっかけは?

高橋:カメラ周辺の全方位を撮影できる「360度カメラ」用の、遠隔操作アプリを開発したことです。アプリの実証実験のために360度カメラを一人の男性社員の自宅に設置し、ほかの社員が撮影できるようにしました。初めは面白がって写真を撮っていましたが、やはりプライバシーの問題も出てきて、その男性社員はそのうちにカメラに黒い布を被せて何も写らなくしてしまったんです。

いつ自宅が撮られるか分からないという状態は、落ち着かないでしょうね(笑)

高橋:カメラは引き続き置いてあったので私は気が向くと写真を撮っていました。写真を見ても彼が部屋にいるか分からず、シャッター音が鳴っていることだけ分かる状態です。
ところがそのような状態になると、シャッターを切ることが前よりも楽しくなった。「相手が音を聞いているかもしれない」という想像の余地が出てきたんです。被験者の彼も「プライバシーの心配は不要になり、音が鳴ると誰かが自分を思い出したと分かってうれしくなる」と教えてくれた。この気付きがOQTA開発のターニング・ポイントでした。

カメラの目隠しが、結果として予想外の楽しさやうれしさにつながったのですね。

高橋:気付きをアイディアに、別の試作品を作りました。カメラの代わりにスピーカーを取り付け、アプリをタップすると「ポヨン」という柔らかい音が鳴るデバイスです。ある女性社員のオフィスのデスクに試しに置いてもらいました。
ある日、彼女が忙しく働いていたときに音が鳴ったところ、彼女は「ふふっ」と少し笑った。その様子を見て驚いたんです。「音が鳴るだけのシンプルなモノが人を笑わせている!」と。そこで社内ディスカッションを繰り返し、製品化が決まりました。 “突然聞いても不快でない柔らかい音”に似つかわしい、親しみやすいデザインのモノを探し、鳩時計に思い至ったのです。


スマートフォンのアプリをタップすると、連動したOQTAのハトが鳴き出す(動画ファイル)
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OQTAのハトの声は柔らかい感じで、聞いていても飽きないですね。

高橋:ふいごで音を出しています。持ち主の意図に関係なく鳴る製品なので、音の快さを大切にしました。精密機器メーカーのリズム時計工業に作っていただいています。今、ふいごの鳩時計を作っているのは、国内でこのメーカーだけなんです。

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