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「障害のある人とアートの出会い」が人をつなぎ、“可能性を再分配する” 奈良県香芝市のGood Job! Center KASHIBA

2 「アートを仕事にする」ことで障害のある方の所得向上に貢献する

障害のある方々の自立支援と芸術文化活動を、どのようにつなげていったのですか?

森下:背景にある大きな問題は、障害のある人の所得が極めて低いことです。平成25年の厚生労働省の調べでは、就労継続支援事業の平均月収は約22,000円。仕事の選択肢もかなり限られています。そこで私たちは実践してきた活動を一歩進めて、「アートを仕事にする」という方向を模索しました。
1995年には、障害者芸術を捉え直す運動「エイブル・アート・ムーブメント」が立ち上がり、私たちも積極的に進めてきました。そして、2007年には障害のある人のアートを、デザインを通じて社会に発信する「エイブルアート・カンパニー」を設立しました。東京のNPO法人エイブル・アート・ジャパン、福岡のNPO法人まるとの共同運営です。

エイブルアート・カンパニーは、どのような機能を持っているのですか?

森下:障害のある人の作ったアートの著作権利用を促す機能を持っています。作品を商品化したり、デザインとして使えるようにするためには著作権や二次利用の管理が必要ですが、障害のある人個々人では、そのようなノウハウや技術を身につけることは大変です。
複雑な権利処理や発注、著作権使用料の支払いなどをカンパニーが代行し、お客様に対しては著作物の貸し出しや事業パートナーのマッチングなどを行うことで、「アートを仕事にする」という選択肢をより身近にすることができます。

エイブルアート・カンパニーのウェブサイトでは、障害のある作家たちの作品を見て、さまざまな仕事の依頼ができる
エイブルアート・カンパニーのウェブサイトでは、
障害のある作家たちの作品を見て、さまざまな仕事の依頼ができる

エイブルアートの利用例には、どのようなものがありますか?

森下:最初は主に、CSR広報誌やカレンダーなど、紙媒体での需要を考えていましたが、靴下メーカーのTabioさんが靴下の柄で使ってくれたことから、アパレルやファッション業界でのエイブルアート活躍の場に気付くことができました。 今ではファッション雑貨、文具雑貨、ノベルティをはじめ、インテリアや百貨店のウインドウディスプレイなど、幅広く使用されています。

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