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色弱の不便さを解消する世界初の色覚補正技術「C Vision S」

4 2019年の製品化を目指し、専門家とともに開発を進めている

これから、さらなる実験が必要だと考えられるのは、視界の一部だけ補正した方がいいのか、全体を補正して映し出せる方がいいのかという点です。先天性色弱の場合は、もともと見ている世界がありますので、不便を感じるものだけ、デバイスを通して見てもらえればいいと思っています。逆に後天性色弱は、視界全体が見えるとこれまでの生活と同じ世界になるので、装着のストレスが軽減されるのではないかと考えています。

また、課題としてはバッテリーの持続時間が挙げられます。現在のプロトタイプだと、一度の充電で1時間程度となりますが、日常で使う場合は5時間から6時間もたないと満足に使えません。そのため、十分なバッテリー駆動時間を確保する必要があります。あと、軽さについても、プロトタイプでは57グラムとなりますが、装着すると重く感じてしまいます。そのため、35グラム以下を目指しています。さらに、見た目もよりスマートなデザインの商品にブラッシュアップしていきたいです。これらの課題をクリアして、実用化を進めたいと考えています。

現在、色覚研究の第一人者である医学博士の協力を得て、実験を進めています。また、正常に見える人と、色弱の人がそれぞれどのように色を感知しているのか、当事者の方へのアンケートや実験への参加を重ねています。2019年以降の商品化を目指していますが、現在は後天性色弱の40代から70代を対象に実験を行っていく予定です。先天性色弱の人用については、医療機器とは異なるので、眼鏡店やウェブ販売で展開していくことを普及の一歩にしたいと考えています。

また、将来的には定性的なデータではなく、色の見え方を定量的に計測して、自動でデバイスの設定に反映することも可能になるはずです。こうしたテクノロジーも使って、「C Vision S」の有効性を検証していきたいと思います。

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