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テレビ放送視聴困難者に最適な情報を届けたい。
九州字幕放送共同制作センターの取り組み

2 字幕制作のスキル

字幕制作というのはテレビで流れる音声をただ字幕化するだけでは成り立ちません。人が1秒間に読み取れる文字は4文字程度、テレビ画面に表示できる文字数は最大15.5文字×2行と規定していますが、これ以上になると視聴者は情報を読み取ることが難しくなります。しかし、番組内で流れる音声はその限りではなく、字幕制作者は規定に収まる「意訳」や画面上でのレイアウトなどのスキルが求められます。放送内容に沿った形で最小の言葉を選択し、画面の内容に応じて一番見やすいレイアウトを選択することで、字幕放送利用者にストレスをかけることなく内容が伝わるように工夫します。また、オープンキャプションと呼ばれる字幕選択をしなくても見ることができる字幕やテロップが付いた番組が増加してきているので、そのテロップとの関係性も考えながらの作業も多くなり、字幕制作者の腕の見せどころになっています。

最近では音声認識技術や入力システムの進歩などによって、生放送番組への字幕付与などスピード化への取り組みもありますが、例えば方言や専門用語など人間の知識や判断力が活かされる場面には、やはり熟練制作者のスキルは必要とされています。現在、生放送の字幕は約8秒遅れて表示されているのですが、音声認識や入力のスピード化は図れても、最終的には人間がチェックをしてから流しているわけで、この8秒はチェックために必要な時間です。日本語の微妙なニュアンスや場の空気を察した言葉などの判断・選択を自動化する壁はとても厚いと言えます。

熟練の技術が必要とされる制作現場
  熟練の技術が必要とされる制作現場

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