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障がいのある子どもたちのためのモバイル端末活用事例研究「魔法のプロジェクト」(5/6)

5 印象的な子どもたち、そして、そこから広がる輪

肢体不自由と知的障がいもあり、生まれたときからほとんどの時間を親元から離れ、学校と病院だけで生活をしている子がいます。その子は家族とFaceTimeを使っておしゃべりしたり、声、写真、動画を送り合うことでつながっていて、それがとてもうれしそうでかわいらしいです。先生ともお話しをして、家族以外の人と関われる機会を増やし、同じ学校にいたけれど引っ越しをしたお友だちやボランティアの方など色々な人とよい関係でつながっていけることが、将来的にこの子の生活を豊かにするかもしれないということで、私たちも取り組んでいます。先生たちはずっとそばにいられるわけではありませんが、これまで関わった先生たちと何かあれば、端末上でつながれるというのは、遠隔のコミュニケーションならではの利点ですね。

もう一人、今年通常の小学校に入学した女の子は、肢体不自由があり車いすを利用しています。まだ体も小さくて3歳児ほどの大きさしかありません。気管切開をしているので言葉を発することができないのですが、親御さんの希望で地域の通常の学校に通うことになりました。当初、学校側はこの子は受け入れても実際に教科学習をするのは厳しいのではないかと懸念されていましたが、プロジェクトでの実践研究を進めていだだいた結果、コミュニケーションが向上し、視力の矯正、聴力の調整もされて、一年生の教科学習を行っています。ひらがなは全部書くことができ、カタカナもあと少し、一桁の足し算や引き算も出来ています。この子が通常の小学校で一年生として学習した成長には驚きました。とてもかわいい子でクラスでも人気者です。ご両親のお話しでは、担当の医師もこんなふうに色々できるようになるとは想定されていなかったそうです。

このように、子どもたちを通じて親御さんからもさまざまなお話しを聞く機会があり、よき協力者として成果報告会に来ていただくこともあります。

先生たちについても、毎年、200人から250人の方に関わっていただくので、東京の先生が北海道の先生にご相談されることがあったり、そこから近隣の先生を紹介したりといったように、プロジェクトに参加した先生同士のネットワークができ上がっています。また、学習障がいのある生徒さんは、見え方に問題があるのではないかということで眼科に相談されるケースが多いことから、一昨年、日本眼科学会の方から、見え方に問題がない場合には、こんな方法もあると魔法のプロジェクトを紹介したいと言っていただきました。このように、一つひとつの成果がさまざまな場面へと広がっています。

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