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高齢者・障害者の介護に役立つ「見守りロボット」(3/5)

3 介護現場でのニーズ

  私たちの技術開発は、屋内向けのサービスロボットとして想定したもので、商業施設の広告宣伝用ロボット、美術館等の案内ロボット、オフィスや屋内工場・倉庫などの監視ロボットなどに広く活用できると考えています。すでに、見守りロボットの前身となるもので、私たちが開発したものに市役所の案内ロボットや商業施設での告知ロボットがあります。これらは実際に現場に導入されているものです。

  今回の見守りロボットの開発にあたっては、高齢者・障害者の介護現場で利用することでの苦労もありました。ロボットの存在自体の認知もそのひとつで、介護現場ではこれまでロボットが活用されるような場面があまりなかったこともあり、その利用価値が認識されにくい状況がありました。今あるものの改良や改善であればイメージが湧きやすいのですが、これまで存在しなかったような、ロボットを活用した環境のイメージを伝えるのが難しいのです。これは、福祉機器展に出展するなどして、実際にロボットを稼働しているところを見ていただくことで解消しています。

  様々な不測の状況が起こりえる介護現場だからだからこそ、ロボットにどのような機能をもたせるかも重要な問題でした。結果として、夜間の巡回用という目的にフォーカスして、機能を絞り込むことにしました。

  介護現場では24時間体制での対応が求められます。その場合のスタッフさんの負担や夜間の人材確保や人件費は決して小さくない問題です。施設スタッフさんの夜間労働の負担を軽減し、人手不足の解消に繋げられるのではないかというところが、夜間巡回用として見守りロボットを開発した理由です。

  もっとも施設内で夜間に起きている事態に対し、最終的には人が判断しなくてはいけません。特に、夜間に離床され徘徊する認知症の方の場合、姿や挙動から、単にトイレに行きたいのか、なにか別の問題を抱えているのか、ということをロボットに判断させることはかなり困難です。そのために、見守りロボットの役割は以下の様なものになります。

  介護施設スタッフの夜間での定期巡回をロボットが支援し、人材不足やスタッフの負担を補うのが、見守りロボットの役割です。これまでのモニタリングでは、ベッド数が100床以上の規模の大きな介護施設では、良い反応をいただいておりニーズがあるものと考えています。中小規模の施設ではまだわからないところはありますが、将来的には在宅介護にも応用できるのではないかと期待しています。

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