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視覚障がい者の生活をサポートする点字機器の開発・販売(3/5)

3 サピエ図書館を活用した点字ディスプレイ利用

 現在、社会福祉法人日本点字図書館(http://www.nittento.or.jp/)のサービスで電子化された点字図書を無料でダウンロードできるサピエ図書館(https://library.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1MN1?S00101=S00MNU01)というサービスがあります。

 このサピエ図書館からダウンロードした点字図書のデータを「ブレイルメモスマート16」で表示できます。その中にはDAISY(デイジー)の規格によるものも含まれていて、音声だけで再生して聴くことも、音声なしで点字だけで読むことも出来ます。

 「ブレイルメモスマート16」の大きな特徴は、持ち運びが容易なことです。入力機能を用いて、点字でその場でメモを取ったり、カレンダー機能で予定を書き込んだり読んだりすることができますが、出力機能を用いて、こうした点字図書をデジタルで持ち運びできるのも大きなメリットがあると考えています。

 点字の本は、一般的な活字の書物と比べるとかなり大きな情報量になります。例えば、ハリー・ポッターシリーズの一冊分を紙の点字図書にすると、大きなバインダー6冊分くらいになります。これを持ち歩くのは大変困難で、外出時などに読書するのは難しかったのですが、「ブレイルメモスマート16」を使っていただければ、外出時にも気軽に読書が楽しんでいただけるのではないかと思います。

 聖書の内容を入れて欲しいという要望も以前からありました。聖書自体も長い本なので、点字図書では膨大な大きさになるためです。「ブレイルメモスマート16」でキーワード検索を使えば、むしろ紙の本よりも速く、該当箇所を出すことも出来て便利だという利用者の方からの声も聞いています。

 国内で点字ディスプレイを扱っている企業は、他にも数社ありますが、国内製造を行っているのは弊社だけと認識しています。点字セルの製造に優位性がある点を活かして、引き続き、国産での点字ディスプレイ製造を行っていきたいと考えています。「ブレイスメモスマート16」は、28万9000円(税抜)です。他社製品では、より安価なものが存在します。また、GPSナビなどを搭載したより多機能で高額な機種もあります。我々としては必要な機能を高品質でご提供したいと考えています。自社製造なので、サポート面での充実を図りたいですね。特に点字セルのピンの部分は消耗品なので、適切に供給したいと考えています。

 点字ディスプレイは、自治体によっては、日常生活用具給付制度を利用することが可能です。東京都内では大部分の自治体で認定されていて、他の自治体でも認定されるケースが広がっています。こうした制度を活用しながら、さらに点字ディスプレイを普及できればと考えています。

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