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あなたの声の代わりをしてくれるパートナー「指伝話」(1/5)

1 指伝話開発の経緯

 わたしたちオフィス結はSOHOの支援会社として1997年に創業しました。オフィス結の「結」とは、人と人とを笑顔で結ぶコミュニケーションを実現するという企業理念から名づけました。「指伝話」の開発も、もちろんこの企業理念に基づくものです。

 オフィス結は、藤沢市にある湘南インキュベート・ルームのサービスを利用させていただいています。湘南インキュベート・ルームとは、財団法人湘南産業振興団体が、企業の創業や新事業の支援などの拠点として開設している施設です。「指伝話」を新しい事業としてスタートするのに伴って、このサービスを利用させてもらっています。

 「指伝話」のそもそものきっかけですが、当初は自動で電話に返答するしくみをつくろうと考えました。新幹線で中小企業の社長さんと乗り合わせたときのことなのですが、その社長さんが仕事関係の電話をしていたんです。その際、社長さんの口数は非常に少なくて、「話している」というよりは、「良い・悪いの意思を伝えているだけ」だったのです。そのとき、短い言葉でも、社長の意思さえ伝われば会社は回っていくものなんだなと気づいたのです。

 現在は、電車の中で携帯電話を使うことはできません。ですが、電話の向こう側の人は、すぐにでも返事がほしくて待っているという場合が多々あります。わたしたちは、そういった移動中の電話応対を自分の声を発することなく実現できないかと考えました。

 「はい」「いいえ」の簡単な返答や、「今は電車に乗っているので、あとから折り返します」といった定型文だけでも伝えられれば、電話先の相手も安心しますし、それ以降のコミュニケーションもスムーズになります。そこで、音声を伝えるアプリの開発を始めました。

 できあがったアプリの開発版をお見せしたところ、整形外科医の赤木家康先生から「使いたい」と言われました。赤木先生は47歳で咽頭がんを発症し、4年半後には舌がんを発症しました。その後、1年7ヵ月間で、舌がんの再発、食道がん、咽頭がんの再発など、全部で7つのがんと闘い克服された方です。喉頭がんの手術で赤木先生は声を失いましたが、自分を必要としてくれている患者さんのためにも、引き続き診療しようと頑張っていらっしゃったのです。

 先生との出会いから、この音声アプリを健常者の方だけではなく声や聴覚に障がいを抱える人にも使ってもらえるようなアプリにできないか、と考え始めました。それが「指伝話」開発のきっかけでした。

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