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聴覚障害者の社会参加を支えるパソコン要約筆記(2/5)

2. 要約筆記の基本はどんなことでしょうか?

手書きであれ、パソコンであれ、要約筆記の基本は「通訳」であり、聴覚障害者の方たちの社会参加をサポートする役割を果たしています。パソコン要約筆記は要約筆記の方法の一つで、手書きをする代わりにキーボードで入力して話を伝えます。意外に思われるかもしれませんが、要約筆記はあくまでもその場での通訳なので、筆記したことを記録として残しません。パソコンを使った場合でも、ログを残さないことにしています。

要約筆記は、発言する人の話を聞いて内容をそのまま文字化するのではなく、意図をつかみ、情報を受け取る側の聴覚障害者に伝わる形に再構築して伝えます。

パソコン要約筆記は歴史も浅く、考え方や方法も十分確立していない現状もあり、話した文章を全て入力して伝えようとするやり方もあるようです。しかし東京都の要約筆記者の場合は、人の話はそのまま伝えてもわかりにくいので、必ず話の内容を短く的確に要約して伝えています。要約筆記は伝える文字数の多さを目的にしているわけではなく、話の内容に遅れずに利用者に伝わる文章に変換して書き伝えることが最も重要な使命と考えているからです。瞬時に頭の中で情報処理を行っていることになります。

人が話をする場合は、1分間に350文字程度の音声を伝えているといわれます。要約筆記は、話し手の言葉の特徴を生かし、会場で皆さんが共有する情報も活用しながら、話し手が伝えたい内容をつかんで簡潔な文章に要約していきます。手書きの場合は1分間で60文字程度、パソコンでは80文字程度を目安としています。

要約筆記では、長時間集中して読むことになるので、文章を読みやすく、わかりやすくする工夫が必要になります。要約筆記の三原則は「速く」「正しく」「読みやすく」です。話に遅れないように要約し、同時性を保ち、利用者に理解しやすい文にすることで、利用する方がその場に参加することを保障し、要約筆記の役割が果たせます。

より少ない文字数と簡潔な文章で話の意図を伝えるのが要約筆記のポイントです。話し手の言葉にこだわっていると、その後の情報を聞くことができずに抜けてしまうことがあるので、大切なポイントだけを頭の中に記憶させ、短文で出すことで追いつくようにしています。よけいな表現を入れてしまうと、大事な情報が文字の中に埋もれてしまってわからなくなることがありますので、注意が必要です。

写真

※パソコン要約筆記講習会で。練習の様子

話は必ずしも論理的に展開されるわけではないので、話し手が何を言いたいのかという意図やその後の話の展開をつかむことも必要です。話の優先順位を判断したり、短い表現への置き換え、余分な言葉を削除、省略、言葉をまとめる、簡潔な文末処理などさまざまな工夫が要求されます。語彙力や日本語の多様な表現を知っていること、つまり日本語力がものをいいます。

文章を要約する能力はもちろんですが、人とのコミュニケーション能力、聴解力、構文力などについての能力には個人差がありますが、個人の力の差を越えた技術を体系的に学ぶことが必要です。それによって一定の段階までは、同様の技量をもつことができます。

外国語から日本語への変換は、言語通訳が担当します。日本語に変換して音声になったものを聞き、要約筆記します。聴覚障害者で手話を使う人(声は出さない、あるいは発語があいまい)の場合は、表現された手話手話通訳者が読み取って音声言語に変換し、これを聞いて要約筆記をすることもあります。

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