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障害者向け地図・福祉地図 (3/7)

3. 「福祉地図情報システム」の特徴って何ですか?今までのものとどう違いますか?

福祉地図システムを導入する側のメリット

今までの福祉地図というのは、既存の地図に絵を載せて一枚の地図にしています。だから、後で更新するのが簡単にはできないし、更新するのにも時間がかかります。

私たちの場合は、地図自体には手を加えません。お店の情報や、階段の有無、道路の情報等は別に管理されています。見せる時に重ねて見せています。地図上に何を表記させるかは色々な項目があって、専用の入力画面から情報を入力するだけです。

例えば、地図の交差点の部分をクリックすると、入力できる項目が出てきますから、「ここは見やすい信号の交差点である」等、項目から選択して入力することができます。もともとある線にいろんな情報を付け加えている形ですから、後から情報をどんどん付け加えることもできますし、いらない情報はその場で消すことも簡単です。それが一番の特徴です。

2番目の特徴は、自治体やNPOなど、導入する側の地域差や考え方、優先させたいものに柔軟に対応できる点です。雪がたくさん降る所だと、側溝の板が小さいと雪が入らないのである程度大きくしないといけない。大きいとベビーカーとか車イスがはまってしまうからなくそうとしている地域もあります。地域差があるから、何が何でも全部同じデータとはいかないんです。また、「点字ブロック」は商品名なので使えないから「誘導ブロック」にしてくださいとか、使用する言葉もお客様のニーズや立場によって変わってきます。当然ニーズによってはこの項目はいらないけれど、この項目は必要だということが出てきます。今標準に作っている入力画面に対応してない部分もあると思いますが、そのあたりはカスタマイズできるようにシステムを作りましたから、ファイルを書き換えると項目を変えることができます。地域差やニーズの違いを吸収する時に、プログラマーが登場しないで編集で対応できるようにしてあります。お客様によって毎回プログラムを直すというのも、極力最小限で処理でき、その方が応用が利くわけです。

3番目の特徴は、二次利用がしやすい点です。自治体の方は街のバリアの情報を欲しがっています。都市計画課などが自分の街のバリア情報をお金をかけて集めている。実はこの福祉地図を作ると共通した地図形式に情報を落とせます。福祉地図をつくると導入者は自動的に街のバリアフリー情報のデータベースを数値的に入手できます。そういった情報を基に本来業務である支援をしやすくしていくことができます。閉じた製品にはしていません。私たちとしてはいろんな夢を詰め込んだつもりです。

サイトの写真(情報を入力しやすい)
キャプチャ画像

福祉地図を見る立場のメリット

利用する障害者の方の立場からすると、最適利用ルートの計算ができる点が特徴でしょう。ルート計算は、本来100mの道でも、バリアが多かったら150mになったり200mになるという考え方をしています。車イスでも腕力の違いで所要時間は全然違います。時間を出すのは個人差があって適当ではないので、障害を加味したバリア距離という表示をしています。道路自身に加点要素や減点要素を入力しておいて、距離何割増しに相当するかという判断をします。必ずその距離に相当するかという論議はありますが、とりあえず概略で数値の有利なところをピックアップします。3ルートあるとすれば、1番短い距離のところがあるがバリアがあるから2倍の長さに設定しておきます。そのバリア距離で最短距離を選ぶと、障害のある人にとっては最も楽なルートを選ぶことができる。そういうアルゴリズムを作りました。

交通量が多かったり、自転車が置いてあって車イスでは通れないとか、健常者にとってなんでもないところでも障害者にとっては不便な道路があります。地図としては道路として存在はしていますが、通れない道も指定することができます。

車イスの方は段差とか通れないものがあればそれで行くことができないので、評価は減点主義になります。ところが、視覚障害者の場合は何か頼りになるものが欲しいのです。「ここはそれが点字ブロックです。ここは歩道と車道の間に杖をついていけばいいです」、という感覚です。バリアも大事なのですが、何を頼りにするかがもっと大切になります。車イスの方と視覚障害者の方では歩き方が違うということも分かってきましたので、そういった内容も加味してあります。歩道でも右側の歩道と左側の歩道のどちらを歩くべきなのか、例えば点字ブロックが片方しか用意されてないとか、歩道の広さが違って車イスのひとはむしろこっちを使った方がいいとか、細かい情報も入れられるようにはしてあります。

また、利用する立場からすれば、新しい情報を手に入れやすいです。

就労支援の点でも、障害者の方の仕事に繋がる可能性があります。障害者の方もそうした情報更新などの仕事に関心があります。障害者の人がHPを作るのを覚えれば仕事があると言われて勉強した時代が4〜5年前にありました。ところが彼らが勉強して世の中に出てきたら、一流企業にいたOLさんなどが家でHPを作るようになっていて、コスト的にかなわない。だから障害があることを武器にできないかと考えています。車イスに乗っている人は車イスの状況が分かるわけですから、福祉地図においては強みになるのではないでしょうか。いろいろな自治体の、“障害者の就労支援作業所を作ったけど仕事がない”という状況とうまくリンクしたビジネスプランを作りたいと思っています。

サイトの写真(バリア距離の表示)
キャプチャ画像。視覚障害者と車いす使用者で提示される最適ルートが異なっている

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