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柔道の再開が自信を取り戻すきっかけになりました
〜障害者柔道家・初瀬勇輔さん〜(3/5)

3. 国内外の大会を経験して感じたこと

実のところ、障害者スポーツというものを、健常者時代はあまりよく知りませんでした。パラリンピックというものがあるのと、当時流行っていた漫画から車椅子バスケというものがあるのは知っていましたが、やはり福祉の観点から行われているものなんだろうなとか、そういった漠然としたイメージしかなかった。

ところが、いざ自分が参加してみると、競技レベルの高さが半端ではなく、大会の規模もとにかく大きくてびっくりしました。初めて参加したフランスの大会では、大会スポンサーとして大手スポーツメーカーがついていました。そこで知り合った選手たちに海外の様子を聞くと、国によってはナショナルチームがあって365日柔道漬けの生活をしているとか、柔道だけでごはんを食べているとか。「障害者スポーツというのは、日本ではまだまだ知られていないけれども、海外ではすごく認知されているんだ」と、大きな衝撃を受けました。

余談ですが、国際大会の場合は、一般のスポーツ同様、規定も厳しいんです。障害者スポーツだからとか、そういうことは一切関係ない。フェスピックというアジア大会で、試合後当然ながらドーピング検査があって、「本当にこういうのやるんだ」と(笑)。別室に連れて行かれて尿を出せと言われるんですが、出ないんですよ。試合で大量に汗をかいたあとですし。それは辛かったですね。

昨年北京パラリンピックに出場したことは、自分にとって大きな出来事でした。試合自体は負けてしまいましたが、夢の舞台で試合ができて、とても満足しています。もっとこの場にいたい、試合がしたいと、初めて思えました。観客の皆さんも、すごくいい雰囲気なんですよ。パラリンピックの会場は結構閑散としていると聞いていたのですが、今回の北京大会ではいろいろな会場が満席に近かったり、あるTV局は期間中ずっと、各地で行われている競技を流していたりと、非常に盛り上がりました。選手村の居心地も素晴らしいし、選手にとっては大変快適なオリンピックであり、パラリンピックであったと思います。

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