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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者の現状と課題 > 女優、忍足亜希子さん(ろう者)に聞く聴者とのコミュニケーション

女優、忍足亜希子さん(ろう者)に聞く聴者とのコミュニケーション(4/5)

4. 情報伝達方法について不自由に思われていることはありますか?

手話がわからない方とコミュニケーションするときには、筆談や空書(空中に文字を描く)、身振り手振りなどを駆使します。みなさん筆談には慣れていないのでしょうか、どういうふうに書こうかと考えこんでしまう方もいらっしゃいます。筆談するときには、会話をしているように自然な表現で書いていただけるとうれしいです。少し手話を使える方とは、相手にわかるようにゆっくり手話を使ったりします。相手に伝えたい、言いたいことを理解したいという気持ちをお互いに持っていれば、通じ合えると思います。

最近はメールが使えるようになって、携帯電話やPCのメールをよく利用しています。ろう者にとってはとても便利な情報ツールです。待ち合わせするときでも場所を確認したりできるようになりました。

私も日常生活では情報が入らなくて、不便に感じることはあります。とくに交通機関を利用している場合の緊急時などです。たとえば、私が乗っている電車が止まってしまったとき、車内に放送が入っても聴こえないので状況がわからないのです。駅には表示が出ていることがありますが、車内でも文字で情報が伝えられるようになるといいと思います。

私は運転免許を持っていて、ドライブするのが大好きですと言うと驚かれます。教習所では筆記で教習をしてくれる先生や手話ができる先生もいらっしゃいました。音がなくても、救急車の音は聴こえないですが、バックミラーやサイドミラーを見て目で確認しています。

情報は、日常生活に欠かせないものです。私たちの周りには、毎日いろいろな情報があふれています。私もできるだけ新聞や本、雑誌などに目を通すようにしています。テレビの場合は、もっと字幕放送が増えるといいなと思います。

私は映画が大好きなのですが、日本の映画にはほとんど字幕がついていないんです。だからもっぱら観るのは洋画です。今年、ろう者が出演した映画「バベル」がアカデミー賞にノミネートされて話題になりましたが、日本語の部分に字幕がついていなくて、署名運動が起こりました。4万人もの署名が集まって、配給会社を動かし、日本語の字幕がついたのです。現在は日本語の字幕が付く日本映画は日にち限定で上映されていることが多いようです。私はすべての日本の映画に字幕をつけてほしいと思っています。それが無理でもDVD化されるときにはぜひお願いしたいと思います。舞台でも、事前にお願いして台本をお借りできれば舞台の内容が理解できると思いますし、字幕装置を設置してくださるとうれしいなと思います。

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