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現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > ICTを活用したい障害者と活動できる人材の育成

パソコンなどのICTを活用したい障害者と共に考え、
活動することのできる人材の育成が必要です(2/6)

2. 日本とアメリカで支援機器の開発に対する考え方に違いはありますか

ニール・スコット博士はニュージーランドで障害のある子どもたちの教育支援をしていたエンジニアですが、ユニバーサルなインタフェースが必要だと考え、現在はアメリカで障害者を持つ人たちの支援をしています。現在はハワイ大学で研究をしています。

スコット博士を見ていると、哲学があります。技術だけではなくて、障害のある人、子どもたちに何をしたらいいのかというところから新たな発明があり、その発明を現実にするためにいろいろな財団や企業などから研究開発のための資金を集めてきて、ものづくりをしています。

アメリカと日本の状況を比べてみると、日本の支援機器の開発では技術的には見劣りしないのですが、違うのは考え方だと思います。日本の場合、すでにある自社の技術が福祉に転用できそうだ、これが福祉に役立たないかと考えます。今ある技術(既存技術)を生かしたいという発想ですね。それは大学などの研究機関でも同様に見受けられます。技術はすばらしく、実際に利用できるようになれば障害のある人の生活の質(QOL)が向上するかもしれません。しかし、もう少し利用者の視点から生活全般を見て、本当にその技術が必要なのか、障害者本位になっているかということを考えないと、なかなか現場には受け入れてもらえないものづくりになってしまうのではないかと感じます。

日本では福祉制度のひずみがいわれています。日常生活に必要なものまで受益者負担となれば、年金などで暮らしている人たちには便利な支援機器や道具を手に入れることが困難になってしまいます。

健常な人たちはだれかと会ってコミュニケーションをするのにお金を払うことはありません。ところが、コミュニケーションに支援の必要な人たちにとって、社会生活に必要なコミュニケーションを実現するために、福祉制度が利用できたとしてもなんらかの負担をしなくてはいけないのです。日本国政府は、2007年に障害者権利条約に署名し、批准に向けて国内の法律を整えているようです。障害者の基本的な権利が法律上でも守られるようになることを願っています。

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