ナビゲーションをスキップ

サイトマップ - ヘルプ - お問い合わせ
 
 
現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > ユニバーサルデザインの視点で暮らしを見つめなおし、21世紀は“誰でも社会”へ

ユニバーサルデザインの視点で暮らしを見つめなおし、
21世紀は“誰でも社会”へ (2/5)

2. バリアフリーとユニバーサルデザインはどう違う?

効率的に労働をこなせる、健康な成人男性を基準にしてデザインされてきたまちやものなどは、障害者、高齢者、女性、子どもなどにとっては使いにくい部分、すなわちバリア(障壁)がたくさんあります。そのバリアをはずしていく、フリーにするデザインアプローチを、バリアフリーデザインと呼びます。

すでにあるバリアを後からはずす、あるいは何かをつけたしてなんとか使えるようにしていくのがバリアフリー。それに対して、最初から誰にでも使いやすいようにつくるのがユニバーサルデザイン。「最初から」という点が大きく違います。

後か先かという順番の違いで、結果は同じではないか……。確かにアクセシビリティ(利用可能性)の確保という意味では、結果は近いかもしれません。しかし、後からというのはコストがかかり、美しさも損なわれます。そして、多くのユーザーの満足を得ることは難しいのです。たとえば、駅の階段に取りつけられている車椅子ユーザーのための昇降機を考えてみてください。利用できるのは一部の障害者のみで、階段の上り下りが困難な高齢者や妊産婦、ベビーカーユーザー、大きな荷物を抱えている旅行者も利用できません。ところが、これは車椅子ユーザーにとってさえ、特別扱いをしてほしくない、駅員の手を借りなくてはならないので、実際には、利用しにくいものなのです。

最初から、電動車椅子でもきちんと乗ることができるエレベーターを設置すれば、車椅子ユーザーはもちろん、視覚や内部障害の方、高齢者、ベビーカーユーザー、大きな荷物をかかえた旅行者、さらに、たまたま残業で疲れている人や気分の悪い人も利用できます。障害をもつ人のニーズが、他の幅広い人々のニーズにも応えることができる、それがユニバーサルデザインなのです。

既存のまちやものに内在するバリアをはずすことはもちろん、大事です。ただ、新しくつくるものについては、駅や公園、公共交通、学校や事務所などの建物もすべて、ユニバーサルデザインの考え方で取り組んでいただきたいのです。ITのように動きの早いものは特に、産業界全体で取り組む必要があります。

ページの先頭に戻る

前へ 目次へ 次へ

 

以下は、このページの奥付です