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JIS X 8341-3改正のポイント(2/4)

2. 改正原案を作成するにあたり、苦労した点

改正版のJIS X 8341-3は、前述の通り、WCAG 2.0を取り込むことを第一目標としました。しかし、全く同じものにすることはできません。というのも、W3Cはウェブの技術仕様を作っている国際コンソーシアムであるのに対し、JISは工業規格であり、そもそもルールが違うものなのです。いかにWCAG 2.0を、実質的な内容をなるべく変えずに、JISというルールにはめ込んでいくか、という部分に一番苦労をしました。

ただ、私個人の考えですが、スタンダードというものは、ベストである必要はなく、ベターであればよいと思うのです。大切なのは、皆が同じスタンダードを使うことなのだと。例えば、ねじのスタンダードは、A社もB社も同じ規格を使っているから、当然合いますよね。ウェブにも同じことが言えるわけで、ウェブページというのは、日本でも、アメリカでも、どこの環境でも見られるものです。そのときに、日本とアメリカで違った見え方をしてしまっては、制作側にとってもユーザー側にとっても大変困る状況になってしまいます。ウェブであれば国際的なスタンダードであるWCAGに倣うというのが、制作側ユーザー側双方にとってのメリットとなることは明確でしたので、ではこれをJISのルールに当てはめ、可能な限りの一致を目指して取り組んでいこう、ということになりました。

さらに第二目標としては、現行のJIS X 8341-3との連続性のあるものを作る、ということを目指しました。JIS X 8341-3の改正原案を作る際には、WCAG 2.0との整合性を最重要視しながらも、この新旧JISの連続性を損なわない内容になるよう、試行錯誤を重ねました。

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