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ホームページのアクセシビリティとユーザービリティ (1/7)

1. 情報バリアフリーの現状は?

工学分野主導で進んでいる

海外、特にアメリカの影響やJIS規格が示されたことの影響が大きかったと考えています。国の政策としての誘導もありますし、各種のHTMLエディタの対応など機器の進歩、社会の情報化の進展、福祉の認知度などの向上も関係しています。一種の演出効果もありますが、TV番組で字幕が導入されたり、ユニバーサルなものが増えてきています。そのために尽力している方もたくさんいらっしゃいます。情報バリアフリーの取り組みを評価できるようなツールや本も少しずつ出てきています。
そうしたものを認めた上で、情報バリアフリーが実現しているかというとまだまだ課題は山積みしている感があります。

福祉の分野は利用者本位で、方法論の確立も大切ですが、何よりもその人に1番良い方法を選択的に選んでいきます。現状では工学分野主導で進んでいる部分が多く、技術や方法論が中心的な話題になってしまいます。福祉を工学側の立ち位置で都合よく解釈しがちです。今議論されるべきは、逆の「福祉分野の中でどのように情報を活用していくのか」です。あくまで福祉分野の立ち位置から情報活用の価値を見出そうというものであって、福祉分野の中の一つの基本技術として情報マネジメントを考えていく必要があります。

つまり、JISで定められたからではなく、障害を持つ当事者のニーズから様々な技術が生み出されたものでなくてはならないということで視点が少し違います。
ただ残念ながら、まだ工学分野に具体的に提言できるような力が福祉分野にありません。福祉分野の関係者は真摯に考えないといけないでしょう。HPにしても、IT関係のHPや企業のHPとは違う、ではどうあるべきかというところを考えながらデザインしていかないと何も生み出しません。

現状はまだ問題点が多い

現状を見てみると、情報に関するバリアがあるせいで、情報活用に何らかの障害がある人たちは社会との溝もまだ深く、サロンや講演会があっても知らない、知っても移動を援助してくれる人がいないため、そこまで行けないことが多いのです。まさにデジタルデバイドは広がる一方です。また、周囲の心のバリアフリーの問題もあります。そういう情報バリアのある人たちをサロンや講演会などに連れて行ってあげようという地域住民の心のバリアフリーがその一例です。日頃関係性が薄いためそういうことを思いもしなかったりします。

今回、福祉関係を中心にHPを40ヶ所ほど調べてみましたが9割はバリアフリーとはいえない状況でした。具体的にいうと、W3Cにどの程度準拠しているかを調べることができるHPにAnotherHTML−lintというのがあります。コンテンツの良し悪しは別にして、URLを入れてボタンを押すと、少なくともスクリーンリーダーで読めるかとか、タブで移動ができるなどとか、情報の保障性をある程度チェックできるサイトです。
それで調べると9割が「もっと頑張りましょう」という評価になりました。クリアできていたのは盲学校、聾学校、盲聾協会のようなところで、その他の身体障害者の関連施設でさえあまり結果は良くありませんでした。ただ、行政は比較的良く、社会福祉協議会もあまり良くない。福祉施設は9割が普通以下でした。まだまだ、福祉従事者側の情報バリアフリーの意識度は低いといわざるを得ない状況です。

村井先生著書:

1. 「社会福祉・介護事業現場における個人情報保護と情報共有の手引き」(共著)
社会福祉法人 東京都社会福祉協議会
本の表紙画像1

2. 「利用者支援向上のための社会福祉施設・事業者の情報化 IT時代の福祉ナレッジメント」
社会福祉法人 東京都社会福祉協議会
本の表紙画像2

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